二時限目音楽の時間、バンド紹介【BURNOUT SYNDROMES】③
それでは本日発売の 明星(みょうじょう) の紹介となります。
早い方はフラゲやこの記事が投稿される時間帯には聴いている事とは思いますがそれでは前回の記事をご覧いただいた方は存じているかと思いますが、明星の全曲レビューを行っていこうと思います。
1.星の王子さま-Ouverture-
それでは一曲目のご紹介をさせていただきます。
このタイトルが始まりと終わりのタイトルでもあります、このアルバムの収録曲が公開された時点で、今回のアルバムは2ndアルバムの《孔雀》と異なり放射状に伸びていくタイプのアルバムではなく1つのコンセプトを持ったアルバムであると確信しました。
私はなんとなくですがBUMP OF CHICKENさんをイメージしました。同様にOpeningやEndingといった始まりと終わりちゃんと意識したアルバムを作成されたりしているからです。
また《Ouverture》とは【序曲】という意味です。
そして歌詞の「応援歌の詰め合わせだ」という部分で公開されていた《ナミタチヌ》も《SPEECH》も《世界を回せ》も全て応援歌なのであるという事を思い出し意識しました。
ドラムもバックBGMもまるで行進を行っているかのような《檸檬》の《Bottle Ship Boys》も確かそのような意識と指示を持ってドラムへの注文があった楽曲でしたね。
そしてまるで翻訳機能が正常に機能していないように演出するボコーダーの類を比較的弱めにかけているのかな?
これまでですと《孔雀》の《君をアンインストールできたなら》という楽曲で披露されておりましたね。
そして再度歌詞の紹介になりますが「鳴らせ 鳴らせ 鼓動を宇宙に鳴らせ」と鼓動=心臓=生きているという証を伝えるんだ!という音源を聴いてくれている方への応援歌となっておりますね。
この楽曲だけも《檸檬》《孔雀》で培った技術や発想を活かしそして更なる進化を遂げたBURNOUT SYNDROMESで或るという事を象徴する楽曲となっております。
2.世界を回せ
このアルバムの中では一番早く届けられた楽曲となります、急かすような、まるで喜劇のBGMのようなメロディから始まりとなっております。
SEが比較的聞こえるようにミキシングされながらもロックバンドである事を主張するエレキギターのドライブサウンドが歌っているようです。
そしてサビでは歌詞の強弱が実はよく付けられていまして強い部分ではシンバル類を多用し言葉の意味を強める役割を果たしております。
熊谷さんは数学的に曲を作成なさるという事みたいですが、わりとストレートなこの楽曲にもそれが読み取れますね。
「正解の分からぬ不自由さこそが自由」という誰も通っていない未知と道の中心に成れ!というメッセージを私は確かに感じ取りました。
3.ダーウィンに捧ぐ
それでは3曲目の紹介となります。タイトルが非常に強いと私は個人的に感じました。
そもそもダーウィンは生物学者となり、彼が生前唱えた中では「進化論」が最も有名ではないかと思います。
またこの「進化論」はダーウィンだけではなく彼以前にも様々な人類の変化の過程を唱えた物を総称されているものとなります。
ただ私から見てダーウィンの唱えた「進化論」が間違いなく世界一有名な「進化論」であると思います。
また「捧ぐ」という言葉にも様々な意味が読み取れますね。
捧ぐ=捧げるは目上の人へ物を差し出す、両手で対象を持って目線以上の高さへ上げる、自分の持つ全てを対象に注ぎ込むといった意味合いとなります。
単純な進化論としても捉えられますが、歌詞にございます
「大地から手を離せ 二本足で立て」
「ヒトは愛を知って進化する」という様々な意味でも「捧ぐ」という単語が解釈できるミーニングがされておりますね。
そして前述しました《世界を回せ》同様に未知と道を探る人への応援歌となっております。
4.ナミタチヌ
公開されていた中では二番目の楽曲となりますね。
【全国高校eスポーツ選手権】のテーマソングとして書き下ろされておりますので、誰からどう見ても応援歌でございます。
またシングル盤のジャケットではデスクトップPCのケース内部の深い青のLEDライトが印象的でしたね。
このアルバムでは最もレンジが広い曲となりまして、マイクのセット等も大変だったろうなと思います。
エフェクトコーラスとシンセの昇り方と水の泡の効果音で、まるで海中にいるようなイントロからスタートし数々の音やクラップ音が入り込み、これを応援歌と言わずに何を応援歌と言おうか?といった楽曲となっております。
そしてイントロ終盤からAメロにかけて一番抑えばにし「SPLASH!」のコーラスでAメロより盛り上がりを魅せつけてサビにてレンジを広げ
「今 飛び出す」
という熊谷さんのボーカルにオートチューンを乗せ電子の海から飛び出すイメージを植えつけられます。
「海を空を虜にする」
海=自分と同じような境遇の人の憧れでありたい。
空=自分の事など一切見えていない、見向きもしなかった人からの興味を得たい、見返したいという強い意志。
何か重大な決断や行動をする時こそ真価を発揮する曲であると思いました。
5.SPEECH
私がこのアルバムで最も気に入っている楽曲となります。
夢を目指す人を対象とした応援歌となりますが、最も応援してくれているのは結局自分自身なのです。
自分がした苦労や行動、そして跳ね返ってくる罵詈雑言や成功という結果を他者は感じることが出来ても100%の理解を行えるのは自分自身だけなのです。
「自分なら出来る!」という自信とは裏腹に歌詞にございます「だって」「どうせ」「私程度じゃ・・・」という自己否定の凶弾の中 という強烈な苦悩
しかし叩き上げられる事により磨かれる力もあると私は思うのです。
私に非常に響く楽曲となりました。
中音域を立たせてラジオボイスを演出する始まりBメロでベースコーラス石川さんのラジオボイスによるアクセント、青春ロックバンドである事を示すサビ
そして数々の偉人の格言と共にフィナーレを迎える楽曲
満場総立!!
を思わせる表現力、私はやはり熊谷和海さんの作る楽曲が非常に好きなようです。
6.MASAMUNE
そもそもMASAMUNEとは、正宗という刀工あるいは刀鍛冶の名称となります。
鎌倉時代に存在したと言われており日本では間違いなく一番有名な刀工となります。
オモチャやゲームにも取り入れられるほどです。
歌詞にございます「働け Blacksmith」とありますのは
Black smithを和訳すると刀鍛冶という意味になるからです、多分ほとんどの方は知らないはずの英語だと思います、そもそも普通の学校では習わなかった気がします。
この楽曲のテーマは恐らく、努力中の人です、まだ舞台には立ててはいないが、いずれ來るべき舞台のために惰眠をせずに努力をし続けろという多少強めの応援歌となりますね。
楽曲自体がダークな雰囲気とスネアの張りを弱めにする事によりカンとした音ではなく緩めながら響く音でより一層暗い雰囲気を増長する事となっております。
ボーカルにつきましても日本人特有の歌謡曲や演歌のような抑揚をこれでもか!というレベルで仕上げておりますね。
毛色は異なりますがたまにある異色のBURNOUT SYNDROMESです。
また歌詞の最後に様々な名刀を挙げる事で十人十色、様々な才能を咲かせてほしいという願いのような歌にも聞こえますね。
7.あゝ
頭を空っぽにして聴くと「卑猥です><」と言ってしまいそうな内容の曲でありますが、私が初聴きで思ったのは恐らく初出である【レ・ミゼラブル】という海外の小説か表記通りならば【あゝ無常】というアン・ルイスさんの楽曲でした。
内容自体は違うとは思いますが、多少【レ・ミゼラブル】の方が似ているかな?と思いました、熊谷さんは文學がお好きでありますしね。
今回のアルバムのコンセプトとしては浮いているようには感じてしまいますが、特に何も取り柄がない人物が夢もなく嘆いている様を表している歌詞という印象でした。
正直この楽曲には読み取れていない事が多くて申し訳ございません。
恐らくですが、特に何もないけど行為の時だけは誰かが必要とする、その経歴を自身の個性と誤認してしまう人ですかね?努力する方向を間違えてしまった結果です。
本当に欲しいのは個性ではなくたった一人からの愛情ではないかな?と解釈しております。
歌詞をみると何度も「あい」と言っていますし、最後は歯止めがきかなくて壊れたロボットみたいに「A E」となってしまっておりますね。
非常に悲しい結末の楽曲であると思いました、彼女の人生にヒカリアレ
8.我が家はルーヴル
こちらも分かりにくいとは思いますが、恐らくこの世で生きている人の大半に当てはまるタイプの応援歌となっております。
またルーヴルというのは皆様ご存知の通りルーヴル美術館でございます、天寿を全うする男性の視点の歌となっておりますね。
誰の贋作でもなく自分自身が築き上げた【人生】こそが紛れもない宝物であると彼は認識しております。
歌詞にございます「幾度と無く死を考えた事もある」=彼は普通の人間なのです。
何も特別ではなく本当に普通の人生を歩んではきましたが、先ほども記載させていただきました通り十人十色なのが人間でもあります。
誰だって死を考える事くらいあります、幸ばかりの人生ではないけれども彼は生き抜いた。
そして自身の人生に誇りを持ち満足して逝くのです、特別な事はなくても出来ないとしてもそれでも生き抜くというのは結構大変な事です。
自分のように満足して逝ける人生を歩んでほしいという応援歌であると私は捉えております。
この楽曲もテーマとしては《SPEECH》に近く自分を奮い立たせる歌詞となっているかと思います。
またタイトルからわかる通り土台には麻雀を置いておりますね、この世に産まれた時点でオンリーワンであり、誰も私を真似出来ない人生を歩んでいくという意思が伝わるテンポの良い楽曲となっております。
そして石川さんのラップの掛け合いと人間が超えられていない「生・死・病・苦」という四暗刻を超えていくような生き様を見せつけてやるという非常に強いタイプの方を主人公として置いております。
誰に何を言われても己を奮い立たせ進む自分を愛しているという表現もございまして個人的には結構好きな楽曲となっております。
10.星の王子さま-Fin-
Track1.の星の王子さま-Overtrue-の繋がりと言いますか、このアルバムのエピローグのような楽曲ですね。
そして終わったと思いきや・・・
これはアルバムを通して聴いて
この楽曲だけは一度歌詞を見ずに聴いていただけたらと思います。
そして二回目に歌詞を見ていただけたらと思います。
またアルバムを聴いていただけた方は存じていると思いますが、今回のアルバムに収録された楽曲は全て物語の主人公が存在します、それらはモデルがいようと実在する人間ではございません、妄想と言っても過言ではありません。
しかし
このアルバムのTrack.1とTrack.10だけには実在する人間が主人公となっております。
二度目となりますがTrack.10だけは一度歌詞を見ずに聴いていただけたらと思います。
最後の最後にやっぱり BURNOUT SYNDROMES さんの作ったアルバムだと再認識させられました。
そして、ここで後編の記事を終わらせていただきます。
それなりに長くなりましたが、このように解釈している人もいるという風に考えていただけたらと思います。
その内3記事で紹介出来なかった楽曲も紹介しようと思っておりますので、また機会があればご閲覧いただけますと幸いでございます。
それでは本日の2限目音楽の時間は、BURNOUT SYNDROMESについてでした。
その内紹介した記事をバンドまとめといった形で再紹介させていただく可能性がございます。
また気になる方はCDやiTunesにて楽曲をお求めになれますので気になりましたら是非よろしくお願い申し上げます!